【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】




車は会場へとあっという間に辿りついてしまう。



事故渋滞で、
会場に辿りつかなかったらいいのに……っとか、
頭の中では、ろくでもないことばかり想像してしまう。


そんな自分自身が
汚くて、嫌になった。



華やかに着飾った招待客たちが
会場前で、それぞれにグループになって
集まってる



足が竦んで動かなくなりそうなのを
必死に踏み出して、
挙行会場へと足を運ぶ。



時間になると、
そのまま硬直してしまったように
二人の式を見届けた。



目の前に映る現実が、
嘘ではないのだと思い知らされる。


真っ白なウェディングドレスを着て
恭也の隣で、満面の笑みを浮かべる
祐天寺昭乃が、凄く羨ましかった。


もう忘れなきゃ。
諦めなきゃ。




そう思いながらも、
無意識に恭也を視線で追いかけてる私が居た。







挙行が終わって、
皆が会場から出て行く。


挙行会場から
披露宴会場へと移動する途中で、
私はトイレへと駆け込んで
胃の中のものを全て吐き出した。



自分でも思っていたより、
ショックが大きいのだとそんな風に思えた。





暫く、トイレの個室に閉じこもって
自分の中の仮面を被る。




まだダメ。
倒れるのは後……。


今はやり通すって決めた
結婚式の参加を全部、やり遂げないと。



私が逃げ出したら、
祐天寺さんが、恭也をもっと苦しめる。


そんな恐怖だけが私を突き動かす。



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