Only One
―――「ボス!!」
「・・・星川。」
数分後、智愛の連絡を受け、真っ先に家にやって来たのは、一番芹那の傍にいた音海だった。
「本当なんですか…芹那さんが、ターゲットに…連れていかれたなんて!!」
駆けつけた音海は、普段では考えられないほどに取り乱しており、情緒不安定な様子だった。
「落ち着きなさい、星川。」
「落ち着いてなんていられません!事実、芹那さんは連れていかれて、今、どこにいるかも、身の安全も分かってないんですよ!?そんな中、冷静になんて―――」
「あなた、探偵でしょッ!!」
「っ――」
室内に、智愛の怒声が響き渡った。
不安なのは智愛も、郁人だって同じだ。
芹那を守れなかったという自己嫌悪も、自分への不甲斐無さも。
「今は、何よりも芹那の救出が先よ。今、他のやつらに至急、ターゲットの情報を集めてる。あなたはここで、その情報のピックアップをお願い。」
「――はい」
何かを押しこむように、音海はこぶしを握ると、智愛に礼をして下がった。