Only One
「戸田 明美。27歳。芹那さんの前の店の受付勤務。」
「この人が――どうかしたの?」
「ターゲットの身辺調査で、よくターゲットとラブホに出入りしていた人物なんですが…おかしいんですよ。」
「何が?」
報告が上がって来た時には、音海もさほど不審には思わなかった。
だから、智愛には報告しなかった。
でも、今、よくよく考えてみれば――…
「この戸田は、相当ターゲットに入れ込んでいるらしく、ターゲットのいいなりだそうです。それに、芹那さんが前の店に辞表を出しに行った、あの日の受付は――戸田なんです。」
「何ですって?」
「また、その次の日から、木下はハローワークに通い始めました。報告では、エステサロンの紹介を頼んでいたそうです。」
「まさか、それって――」
そこまで話すと、やっと智愛にも音海の言いたいことがはっきりとみえてきていた。
きっと、木下は芹那が働いていそうなエステサロンを片っぱしから探していたんだ。
芹那がやめたことはともかく、芹那が前の店に来た事を話す人物は、戸田以外にはいないはず。
「そして、もうひとつ、報告が――」