Only One
――ジャラ…ッ
どのくらい意識を失っていたのか、分からない。
自分が連れ去られたあの日から、何日たったのだろう。
「――…、」
郁人さん…智愛ちゃん――
どうしても、あの二人の笑顔が、脳裏に映ってくる。
巻き込んじゃ駄目なのに。
あの人と、もう二人には関わらないって約束したのに。
でも――
「助けて…っ」
堪えられそうになかった。
何を考えてるのか分からない木下に、自分をいいようにされることは。
何も出来ない自分への悔しさか、虚しさか――
気付けば、涙が頬を伝っていた。