Only One
“芹那ちゃん”――
どうしても、忘れられないの。
いつも笑顔で、優しくて、大人で、格好良くて――
私の名前を大事そうに呼んでくれる、
郁人さんの姿が――…
「私……、」
心のどこかで分かってた。
でも、それをないモノとして、蓋をしてた。
――だって、
あんな気持ち、二度としたくないって思ってたから。
だけど――…
「っ――好き」
もう、抑えられない程溢れてる。
「私…郁人さんが好き…っ」
こんなときに気付くなんて。
神様は、どこまでも残酷だ。