Only One
―――「しらばっくれんな!!」
事務所内に、智愛の怒鳴り声が響いた。
「アンタ、自分が何やったか分かってんの?アンタがやったことは、立派な犯罪よ?法律でしてはいけないって決められた、違法行為なの!分かってんの!?」
芹那の居場所を一切言おうとしない戸田に、智愛は我慢の限界だった。
戸田の胸倉をつかみ、今にも戸田を殴りかかりそうな状況だった。
「――はぁっ」
ドサッ
『ッ』
これ以上威嚇しても、戸田は何も言わないと思った智愛は、掴んでいた胸倉を突き放した。
その反動で、床にたたきつけられた戸田。
それでも、戸田は何も言わなかった。
「―――ねぇ、どうしてそこまでするの。」
『・・・。』
智愛にとっても、郁人にとっても、ここにいる事務所にいる全員が、戸田の糸が分からなかった。
どうしてそこまでして戸田は木下を守りたいのか。
全くもって、理解できないものだった。