Only One
「あんた、アイツに捨てられ――」
『違う…ッ!』
「―――」
ここにきて、戸田の第一声だった。
その瞬間、智愛は口角を上げた。
戸田は吐く――そう確信したからだ。
『柊斗は優しかった。どんな私のワガママも聞いてくれた。私の事を…愛してるって、お前が一番だって、言ってくれたの。なのに…なのに…ッ!!』
戸田が流す涙はあまりにも痛々しかった。
きっと、戸田は木下を振り向かせたい一心で、木下の言う事を聞いていたんだろう。
『あんな女の、どこがいいのよッ!!…きっと柊斗だって、一時の気の迷いであの女に執着してるだけ。だって…私が柊斗の一番なんだもの。そう、柊斗には私だけ。だから…だからっ――』
「木下の言う事を聞いたって言うの?」
智愛の言葉に、戸田はのどを詰まらせた。