亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――…ローアン…?」
純白の光が一瞬、荒野を、沈黙の森を、その果てまで………包み込んだ。
眩しい光源に視線を移すと、その光は城から。
…………いや…………………。
…………ゆっくりと開いていく、あの巨大な扉から。
………漏れ出る様に。
キーツは我が目を疑った。
……扉が。
…………扉が…開いた?
唖然と、その光景を見ていた。
…城を囲んでいた透明な壁は、いつの間にか消え失せていて、神々しい城の光も、だんだんと薄らいでいく。
――――封印が…解かれたのか。
…………胸騒ぎがする。
開城………ということは、鍵であるローアンが………今……あの扉の前に……?
クライブの突然の戦闘放棄という行動からして………間違いないだろう。
クライブは彼女を見つけて、すぐに城へつれて行ったに違いない。
そして………扉は開いた。
城が……クライブの手に落ちる。
しかしその前に……。
(…………ローアンが………!)
……殺される。
用心深い彼は、すぐに彼女を殺すつもりは無いかもしれないが…。
「………ちっ…!」
城へ………。
足を丘の方へ向けた。
………しかし。
目の前の地面に、黒光りする巨大な斧が突き刺さった。
そしてそれはそのまま、地面を削りながらキーツに向かって滑って来る。
「…………っ…!」
反応が本の少し遅かった。
自分の身長を越す刃が物凄い速さで、キーツを両断しようと迫った。
………くそっ…!