今夜、俺のトナリで眠りなよ
 知ったのが俺で良かったよ。俺じゃなきゃ、桜子はずっと危険な夜道を歩いただろうから。

 俺は、電話をきると、部屋に戻った。

 携帯を手に取って、桜子に電話をする。

 出るまで、絶対に切らねえ。

 20回目のコールで、やっと桜子が電話口に出た。

『一樹君?』

「めちゃくちゃ怒鳴りてぇけど。とりあえず我慢してやる。今、どこだ」

『なんで知ってるの?』

「実家から連絡があった。迎えに行くから、場所を教えろ」

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