今夜、俺のトナリで眠りなよ
 きっと一樹君のことだ。私を気遣って、洗い物をまでやってくれているに違いない。

 私は出来るだけ、ささっとシャワーを浴びるとキッチンに戻った。

「一樹君、次どうぞ」

 私がパジャマにカーディガンを羽織ってキッチンに入りながら声をかける。

 予想通り、一樹君は、流しに立って皿を洗っていてくれた。

 もう大半の洗い物が終わっているみたいで、籠の中に皿が山積みになっていた。

「もうほとんど終わっちゃったね。ごめん」

「謝るなって。俺の手際が良いだけ。もっとゆっくり入ってくれば良いのに」

「きっと一樹君のことだから、食器も洗ってくれてるって思って」

「わかってるなら、俺に任せて、ゆっくり入ってこいよ」

 一樹君が、くすっと笑った。

 その横顔が、すごく優しくて思わず目が奪われてしまう。

 どうしてそんなに、今日は優しいの?

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