今夜、俺のトナリで眠りなよ
 ジュワッと白い泡が飛び出してきた。

「私、何やってんだろう。少し前までは、優樹さんが家に帰ってこようって思えるような家作りをしなくちゃって思ってたのに。世間一般な夫婦になりたいって思ってたのに。いざってときに、尻ごみしちゃうなんて」

「心が追いついてないんだろ。夫婦の寝室が別ってよくあるだろ。気にする必要なんてねえよ」

 一樹君がゴクゴクとコーラを一気飲みした。

「いつかは……心が追いつくかな」

「俺が知るかよ」

「だよね」

 私は苦笑する。

「まあ、別に兄貴一人に拘る必要なんてねえだろ」

「私にも愛人を作れって?」
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