今夜、俺のトナリで眠りなよ
 私は携帯を手に取ると、メールを打った。

『信じてくれる?』と文字を打って、一樹君に送った。

 すぐに返信が届く。

 たった三文字。『信じる』とだけ。

 私はくすっと笑うと、携帯を鞄の中にしまった。
















 同窓会を前日に控えて、私は実家に戻った。実家から、同窓会の会場は目と鼻の先だから。

 優樹さんも、「たまには実家でゆっくりしておいで」と言ってくれた。

 きっと、私が家にいないと思えば、気兼ねなく愛人と過ごせるから、そんな優しい言葉をかけてくれたんだろうけど。

 それでも実家でゆっくりできると思えば、嬉しかった。

「優樹さんとはどうなの?」

 お母さんが、夕食の下準備をしながら聞いてきた。
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