聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 何なんだろうこの子。

 あたしを目の仇にしてない?

 あたし何かした!?


「ああ、そうなんだ。なーんだ、じゃあこの人を守るってそういうことだったんだ」

 いつの間にか説明が終わっていたみたいで、由理香ちゃんがそう言った。

 そしてあたしの方をくるりと振り向き、笑顔で言う。


「あたしは黒斗お兄ちゃんの妹の由理香です。初めまして、友さん」

 そうして握手を求められた。

「へ? あ、うん。よろしく……」


 何で?

 何でいきなり友好的に!?


「じゃあ折角だからさ、由理香ちゃんも一緒にゲーセン行かないか?」

 あたしの戸惑いになんて誰も気付かず、弘樹が皆にそう提案した。


「え? いいんですか?」

「いいよ。もうここまできたら何人増えてもかまわねぇよ」

 高志が諦め混じりの声で承諾する。


「悪ぃな。……友もいいか?」

 黒斗が由理香ちゃんの代わりに謝りながらあたしに聞いてきた。


 皆OKなのにダメなんて言えるわけないでしょ!?


「いいよ? 一緒に行こう」


 かくして、何故か黒斗の妹・由理香ちゃんを交えてゲーセンへ遊びに行くことになったのだった……。


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