魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクの精神力は底無しなのか――
少しでも気を緩めれば姿を消してしまう四精霊のサラマンダーは空中に留まり、炎を吐き出し続けていた。
その間ラスはレイラとエリノアとこの2年間何をしていたかを話し、それぞれの物語を教え合っていた。
元々馴れ合うつもりのないスノウは優雅に1人で紅茶を飲み、時々色っぽい視線をコハクに送りながら細くて真っ白な脚をちらつかせる。
だがラスにしか興味のないコハクは色仕掛けに動じなかったが、とりあえずにやついてはいた。
「コハク様、私の脚はどう?」
「色っぽいけどチビの方がいい」
「じゃあ…この身体は?」
「色っぽいけどチビの方がいい。てか比べ物になんねえし」
ぎり、と歯ぎしりをするとラスを見つめ、確かに2年前よりもぐっと綺麗になり、身体のラインも全く変わってしまったラスは世界一の美女と言ってもおかしくはない。
けれど中身はまだあどけなく、皆でフローズンの頭を撫でながらきゃっきゃと声を上げ、楽しそうにしていた。
小さな声で会話を交わしているうちに飽きてきたコハクはラスの腰を抱くと引き寄せ、影からクロス型の白いエプロンを取り出した。
「今から掃除するんだろ?これ着てやれよ」
「うん。コー、着せて」
「はいはい」
本当は自分で着れるのだがコハクがなんでもやりたがるのでできないふりをすると案の定喜び、いそいそとラスにエプロンを着せた。
「ワーオ、新妻って感じ!で、誰の奥さんになるんだっけ?」
「コーの。じゃあ行って来るね、コーはついて来なくっていいよ」
相変わらず時々そっけない態度を見せるラスにぞくぞくしたヘンタイ魔王は、同じく腰を上げたグラースにひそりと声をかけた。
「おいグラース」
「わかっている。スノウは私が監視しておく」
「お前やっぱいい女だな。愛人くらいにはしてやっても…」
「断固お断りだ。ラス、行こう」
グラースにもそっけなくされて肩を竦めると、コハクはラスの姿が見えなくなるまで花畑に寝転がり、阿呆のふりをした。
「今夜かあ…。やっぱ罠かな」
わかってはいたが…
少しでも気を緩めれば姿を消してしまう四精霊のサラマンダーは空中に留まり、炎を吐き出し続けていた。
その間ラスはレイラとエリノアとこの2年間何をしていたかを話し、それぞれの物語を教え合っていた。
元々馴れ合うつもりのないスノウは優雅に1人で紅茶を飲み、時々色っぽい視線をコハクに送りながら細くて真っ白な脚をちらつかせる。
だがラスにしか興味のないコハクは色仕掛けに動じなかったが、とりあえずにやついてはいた。
「コハク様、私の脚はどう?」
「色っぽいけどチビの方がいい」
「じゃあ…この身体は?」
「色っぽいけどチビの方がいい。てか比べ物になんねえし」
ぎり、と歯ぎしりをするとラスを見つめ、確かに2年前よりもぐっと綺麗になり、身体のラインも全く変わってしまったラスは世界一の美女と言ってもおかしくはない。
けれど中身はまだあどけなく、皆でフローズンの頭を撫でながらきゃっきゃと声を上げ、楽しそうにしていた。
小さな声で会話を交わしているうちに飽きてきたコハクはラスの腰を抱くと引き寄せ、影からクロス型の白いエプロンを取り出した。
「今から掃除するんだろ?これ着てやれよ」
「うん。コー、着せて」
「はいはい」
本当は自分で着れるのだがコハクがなんでもやりたがるのでできないふりをすると案の定喜び、いそいそとラスにエプロンを着せた。
「ワーオ、新妻って感じ!で、誰の奥さんになるんだっけ?」
「コーの。じゃあ行って来るね、コーはついて来なくっていいよ」
相変わらず時々そっけない態度を見せるラスにぞくぞくしたヘンタイ魔王は、同じく腰を上げたグラースにひそりと声をかけた。
「おいグラース」
「わかっている。スノウは私が監視しておく」
「お前やっぱいい女だな。愛人くらいにはしてやっても…」
「断固お断りだ。ラス、行こう」
グラースにもそっけなくされて肩を竦めると、コハクはラスの姿が見えなくなるまで花畑に寝転がり、阿呆のふりをした。
「今夜かあ…。やっぱ罠かな」
わかってはいたが…