約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く
なんか、それもドラマの情報で
どうかはわかんないけど。
やばいなー。
物語で見る分には凄いなーって思うけど、
わが身が身を持って体験なんてお金つまれても
ご遠慮したいよ。
「芹沢先生、山南さん
ちょっといいか?
話し合いの刻限だ」
そう言って話を折って割って入る存在。
「土方くん。
もう約束の刻限でしたか?
お待たせしてはいけませんね」
「あぁ」
「それでは芹沢先生もあちらへ」
穏やかな仕草であっと言う間に
転がすように二人を誘導すると、
その人たちは消えていった。
残されたのは……私と花桜。
……沖田さん。
そして土方と呼ばれていたから
あの人が土方歳三。
新選組の鬼の副長。
って、私……今、やばくない?
こんな二人に囲まれて。
「あんたらには悪いが、
今から来てもらうところがある。
総司と山崎、山南さんから二人のことは聞いた。
だが、間者でないという証はねぇよな。
間者でないと言うなら、
俺たちを納得させれるように話せ。
山崎、いるんだろ」
土方さんは私たちにそう言い放つ、
空に向かって、山崎さんの名を紡いだ。
何処からともなく、足音もなく姿を見せた
昨日の人は、昨日とは別人のように
土方さんの前で一礼して控えた。
山崎……。
山崎 烝。
あっちゃー。
なんか、逃げられないところまで
幕末どっぷりじゃん。
「瑠花、大丈夫。
私がついてるから」
ちょっと今の現状に尻込みする私を、
叱咤するように励ますように、
花桜が指先を絡めて私の手を繋いでくる。