愛を教えて
(何も知らなかった身体には、二度と戻れないのだから……)
卓巳が口にしているのは、彼の書いた台本にある台詞。お芝居だとわかっていても、万里子は“妻”と呼ばれるのが嬉しかった。
「でしたら、ちゃんとした証拠を示してちょうだい! あなたが、この藤原家の後継者として問題ない体だと。そのうえで、皐月様が結婚をお認めになるなら、あたくしたちも納得できるというものだわ」
「おばあ様が太一郎くんを後継者に決められるなら、自分は黙ってこの家も会社も出る、と言ってるじゃありませんか。これ以上どうしろと?」
「では、お認めになるのね? 検査を受けることができないということは……よろしいわね、卓巳さん」
卓巳はなぜ、こうまで頑なに拒否するのだろう。
誇りを傷つけられた気がして嫌なのだろうか? 或いは……。
ぼんやりと考える万里子に、尚子はとんでもない要求を突きつけた。
「そうだわ! 万里子さんに証明していただきましょう」
「あ、あの……私に何を?」
あまりに突然で、万里子だけでなく、卓巳や皐月すらきょとんとしている。
「あなたは卓巳さんの事実上の妻なのでしょう? それは要するに、卓巳さんとセックスなさったということよね?」
卓巳が口にしているのは、彼の書いた台本にある台詞。お芝居だとわかっていても、万里子は“妻”と呼ばれるのが嬉しかった。
「でしたら、ちゃんとした証拠を示してちょうだい! あなたが、この藤原家の後継者として問題ない体だと。そのうえで、皐月様が結婚をお認めになるなら、あたくしたちも納得できるというものだわ」
「おばあ様が太一郎くんを後継者に決められるなら、自分は黙ってこの家も会社も出る、と言ってるじゃありませんか。これ以上どうしろと?」
「では、お認めになるのね? 検査を受けることができないということは……よろしいわね、卓巳さん」
卓巳はなぜ、こうまで頑なに拒否するのだろう。
誇りを傷つけられた気がして嫌なのだろうか? 或いは……。
ぼんやりと考える万里子に、尚子はとんでもない要求を突きつけた。
「そうだわ! 万里子さんに証明していただきましょう」
「あ、あの……私に何を?」
あまりに突然で、万里子だけでなく、卓巳や皐月すらきょとんとしている。
「あなたは卓巳さんの事実上の妻なのでしょう? それは要するに、卓巳さんとセックスなさったということよね?」