愛を教えて
――素敵な夢を見た。


目が覚めて、万里子はとっさにそう思った。
卓巳から愛を告白されて、優しく抱き締められ、結婚式のすぐあとのようなキスをする夢。

そのせいだろうか、この家に嫁いで初めてグッスリ眠った気がする。


(『愛してる』なんて、卓巳さんが私に言う訳ないのに。でも……)


「……夢で聞けたから、幸せ」

「何を?」

「だから、愛してるって」

「愛してるよ……万里子」


ビックリして顔を上げると、目の前に壁があった。

一瞬、壁際に置かれた実家のベッドを思い出す。
だが、卓巳の寝室は広くて、ベッドは真ん中に置かれている。壁に付いてるのは頭の部分だけだ。

しかも、壁に触れると温かかった。
万里子が耳を当てると、規則的だったリズムが少しずつ速くなる。


「大胆なのは嬉しいが、早く起きないと君も学校じゃないのかい?」


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