愛を教えて
床を舐めるように這いずる、そんな太一郎の前を、白い素足が横切った。
「やめて! もう、やめて。もう、これ以上は……やめてください」
使用人の間を割り、卓巳を止めたのは、他ならぬ万里子であった。
「何を言ってるんだ!? こいつをこのままにしておいたら、君がどんな目に遭うかわからない。僕は、君を傷つける人間は絶対に許さない!」
「でも、助けてくれました! 太一郎さんが止めてくれなかったら、私は本当に死ぬつもりでした」
そんな万里子に横から口を挟んだのは雪音だ。
「でも万里子様、それって逆じゃないですか? この男のせいで死ぬところだったって言うべきでしょう?」
「そうです! この人は私のことも殴って脅したんです。訴えても無駄だって、履歴書を十八歳に書き換えたからって。私が嘘をついて、お金欲しさに迫った。みんなにそう言うって言ったのよ! 最低だわ、絶対に許さないんだから!」
茜も万里子と同じで、頬が腫れ、医者の手当てを受けていた。
レイプが未遂であったことも、彼女の声を大きくした理由だ。他のメイドたちは金を受け取った後ろめたさがあり、口を噤んでいる。
敦や尚子も大差ない。
太一郎の行動を褒め続けた尚子も、我が身に被害が及ぶと知った途端、即座に太一郎を切り捨てた。
尚子にとって息子は、とかげの尻尾に過ぎなかった。
「やめて! もう、やめて。もう、これ以上は……やめてください」
使用人の間を割り、卓巳を止めたのは、他ならぬ万里子であった。
「何を言ってるんだ!? こいつをこのままにしておいたら、君がどんな目に遭うかわからない。僕は、君を傷つける人間は絶対に許さない!」
「でも、助けてくれました! 太一郎さんが止めてくれなかったら、私は本当に死ぬつもりでした」
そんな万里子に横から口を挟んだのは雪音だ。
「でも万里子様、それって逆じゃないですか? この男のせいで死ぬところだったって言うべきでしょう?」
「そうです! この人は私のことも殴って脅したんです。訴えても無駄だって、履歴書を十八歳に書き換えたからって。私が嘘をついて、お金欲しさに迫った。みんなにそう言うって言ったのよ! 最低だわ、絶対に許さないんだから!」
茜も万里子と同じで、頬が腫れ、医者の手当てを受けていた。
レイプが未遂であったことも、彼女の声を大きくした理由だ。他のメイドたちは金を受け取った後ろめたさがあり、口を噤んでいる。
敦や尚子も大差ない。
太一郎の行動を褒め続けた尚子も、我が身に被害が及ぶと知った途端、即座に太一郎を切り捨てた。
尚子にとって息子は、とかげの尻尾に過ぎなかった。