愛を教えて
照れ隠しに、少々憮然とした顔でストレートに尋ねた。

そんな卓巳を見て万里子はクスクス笑う。


「セーターはありませんけど……マフラーなら。でも、中学生のときですよ」

「だったら、来年はマフラーにしてくれ」

「来年でいいんですか?」


悪戯っぽく万里子は微笑む。


「それは、どういう」

「クリスマス用に、これと同じデザインのマフラーを編んでるんですけど……間に合わなかったらごめんなさい」


万里子はペロッと舌を出して肩を竦めた。

口元の絆創膏が痛々しくて、余計に卓巳は万里子の頬に触れたくなる。


だが、太一郎の暴力がきっかけで、万里子は心の傷が再び痛み出したようだ。

そんな万里子に、卓巳からしつこくアプローチすることは避けたい。


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