愛を教えて
ライカーの実父はフォークナー財閥の総帥ネイサン・B・フォークナー。今回の共同開発において、フジワラ・ロンドン本社と業務提携を結んだパートナーだ。
アメリカ人であるフォークナーは英国の上流階級から妻を娶った。だが、排他的な英国貴族社会に辟易して離婚。ライカーは再婚相手との間に生まれたひとり息子だ。だがフォークナーは今でも、貴族に追随する英国経済界を嫌悪していた。
ところがライカーは父に逆らい、若くして英国に拠点を移し、伯爵家のひとり娘と結婚。彼はサーの称号を与えられ、貴族の仲間入りをしたのだ。
現在は准男爵という低い身分だが、いずれ妻が伯爵位を継承すれば、彼はロードの敬称を持つようになる。そうなれば、ライカーは自動的に貴族院のメンバーとなるのだ。
ライカーは結婚を機に会社を興した。それを数年で、国から監査を任されるまでに成長させた。その手腕は見事と言えよう。
そして今回の業務提携である。
多国籍企業でありながら、藤原グループの欧州進出は立ち遅れている。高徳が欧州を重要視しなかったせいでもあるのだが、現在の国際経済情勢を考えれば単独で世界同時不況に立ち向かえるものではない。
そんな中、卓巳は再々フォークナーとコンタクトを取ってきた。
そして今回、フォークナーのほうから藤原グループに協力を要請してきた。優良企業であるフォークナーとの共同開発となればまたとないチャンスだ。そんな思惑もあり、ライカー社との折衝を引き受けた。
だが、認可の内定を受けたのは二ヶ月も前。内定から正式調印まで、やけに時間がかかっている。
当初は親子間の無用な軋轢を避けるため、卓巳に折衝役を求めたと考えていたのだが……。
アメリカ人であるフォークナーは英国の上流階級から妻を娶った。だが、排他的な英国貴族社会に辟易して離婚。ライカーは再婚相手との間に生まれたひとり息子だ。だがフォークナーは今でも、貴族に追随する英国経済界を嫌悪していた。
ところがライカーは父に逆らい、若くして英国に拠点を移し、伯爵家のひとり娘と結婚。彼はサーの称号を与えられ、貴族の仲間入りをしたのだ。
現在は准男爵という低い身分だが、いずれ妻が伯爵位を継承すれば、彼はロードの敬称を持つようになる。そうなれば、ライカーは自動的に貴族院のメンバーとなるのだ。
ライカーは結婚を機に会社を興した。それを数年で、国から監査を任されるまでに成長させた。その手腕は見事と言えよう。
そして今回の業務提携である。
多国籍企業でありながら、藤原グループの欧州進出は立ち遅れている。高徳が欧州を重要視しなかったせいでもあるのだが、現在の国際経済情勢を考えれば単独で世界同時不況に立ち向かえるものではない。
そんな中、卓巳は再々フォークナーとコンタクトを取ってきた。
そして今回、フォークナーのほうから藤原グループに協力を要請してきた。優良企業であるフォークナーとの共同開発となればまたとないチャンスだ。そんな思惑もあり、ライカー社との折衝を引き受けた。
だが、認可の内定を受けたのは二ヶ月も前。内定から正式調印まで、やけに時間がかかっている。
当初は親子間の無用な軋轢を避けるため、卓巳に折衝役を求めたと考えていたのだが……。