愛を教えて
万里子は、薄っすらと涙を浮かべ、肩で浅い息を繰り返している。

卓巳は愛すべき妻に口づけて、彼女の耳元で囁いた。


「ありがとう、感じてくれて。万里子……最高に綺麗だ。僕は嬉しくておかしくなりそうだ。愛してるよ、万里子」


卓巳はより一層激しい動きで万里子を攻める。

その直後、万里子は眉根を寄せ、唇を噛み締めた。


「たく、たくみ、さん。待って、お願いま……って」

「万里子? どう……し」


卓巳は先日、浅い位置ながら初めてひとつに結ばれた夜のことを思い出していた。


(落ちつけ……落ちつくんだ。この間より充実感はある。でも、無理は禁物だ。力任せでは万里子の身体は受けつけない。辛い思いだけはさせられない)


「ま、万里子……少し、ほんの少しだが……君の中に入ったようだ。痛むか?」

「……少しだけ……」


万里子は遠慮がちに、掠れるような声で答える。


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