愛を教えて
『社長、おはよう……ございます』


そこに爽やかな顔で現れたのがジェイクだ。だが、中の様子に一瞬で顔色が変わった。


『ああ、ジェイク! お願い、オーナーを止めてちょうだい』

『え? あの、社長……すぐにドクターを』


ジェイクは切羽詰まったソフィに声色に驚き、携帯電話を取り出した。


『医者はいらんと言ってる!』


卓巳の怒声にジェイクの動きは固まった。

万里子の悲鳴が部屋に響く中、卓巳は彼女の両手首を持ち、ベッドに押さえつけている。


『オーナー! 焦ってはいけない、とドクターもおっしゃっていました。奥様が壊れてしまうわ。やめてください!』

『万里子はこんなことで壊れたりしない! 妻を……薬漬けにされてたまるか。ジェイク、ソフィを連れて外に出ろ。早くしろ!』


卓巳の剣幕にふたりは驚き、ジェイクはソフィの手を引き、寝室から飛び出した。


< 763 / 927 >

この作品をシェア

pagetop