愛を教えて
藤原邸の家人は万里子たちが結婚したときに比べ、半分に減っていた。

太一郎が家を出て、敦、尚子夫婦も一月末には上海に出発。皐月は入院中で、このまま行くと、四月には静香も孝司も邸を出る。

減ったのは家人だけじゃない。使用人もかなり少なくなった。


メイドの中で太一郎を一番嫌っていた悠里だが、両親が見つかり、邸を出て行った。


かんなも不自由さに嫌気がさしたのか、自ら辞めてしまう。


十七歳の茜は今年に入り、やっと母親が退院した。

店の営業を再開し、彼女も家業を手伝うという。元気になった母親と一緒に挨拶に来たとき、『高校を卒業したら正式に採用してください』と言っていた。


結局、若いメイドで残ったのは美和子と雪音だけだ。


あとは身寄りのない五十代、六十代の者ばかり。

その中で仕事の辛くなった者には充分な退職金を渡し、老人ホームを世話することにしたのだった。


そして、なんと言っても一番の変化は、あずさがいなくなったこと。


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