愛を教えて
一緒にお風呂に入ることを万里子は嫌がった。

プライベートな空間を卓巳に見せるようで、どうしても恥ずかしい。万里子にとっては、トイレよりマシ、ぐらいの気持ちだ。


でも、卓巳はその空間を共有することを望んでいた。


「もっと親密になることが重要だと思うんだが」

「もう充分に親密でしょう?」

「いや、まだまだ足りない。もっと近づけば、子供も僕たちの元に来やすくなるよ」


わかったようなわからないような理由をつけて、卓巳は万里子をバスルームに引っ張り込んだ。


自分は残り数枚をさっさと脱ぎ、万里子の衣服にも手をかけ、脱がせ始める。

卓巳のキスが万里子の唇を掠めた。

ほんの少し触れ合っては引き、突然強く押し付け、万里子が口を開きかけると離れる。焦らされて、思わず万里子から追いかけてしまいたくなるくらいに。


「卓巳さんの……意地悪」

「僕が? 君を大好きなのに? ほら、完全復活だろう。もう途中で萎えたりしないよ。任せてくれ」


満面の笑みで見つめる卓巳に、笑みを返さずにはいられない万里子だった。


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