女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
とりあえず、帰らなくちゃ。
ふらふらと店員通用口まで歩く。
眠い眠い眠い・・・・。ぐるぐると頭の中で繰り返して、余計眠くなる。
「お疲れ様でした」
警備員に声をかけられて、許可証を出してないのにやっと気付いた。急いで鞄を探って出し、無事に外へ出る。
ぬるい風が頬を触っていく。
昨日はここで、桑谷さんが待っていたんだった、と思ってそっちの方を何気に見ると、昨日と同じ影がゆっくりとこちらに歩いてくるのを見た。
デジャヴかと思って一瞬目が覚めた。
それは幻なんかではなく、ちゃんと桑谷さん本人だったけど。
「・・・お疲れさん」
今朝、早朝も聞いた声なのに、懐かしく感じた。
「・・・・お疲れ様です」
小さく答えると、彼は不思議そうな顔をした。
「どうした?ぼんやりしてないか?」
「・・・・・眠くて」
その返答ににやりと笑ったみたいだった。