蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜真実を見る〜‡

「さてと☆
落ち着いたとこで本題ね◎
私の可愛いいリュスナは、こんなところまでどうして会いに来てくれたのかしら?」
「っんな事、とっくにわかってんだろ」
「あんたには聞いてない」
「…腕輪を受け取りに来ました」
「ふふっ、真面目なんだから☆
分かってるわ◎
待ってて☆」

すぐに戻ってきたナーリスの手には、黒い箱があった。

「これね☆」

蓋を開けると、中には目映い白の腕輪があった。

「?白?金だっただろ?
それに石が一つもついてねェじゃねぇか」
「…けど…これです…間違いない…」
「?いやっどうみても違うだろ」
「確かに見た目違いますが…」
「ふふっ。
さっすがリュスナ◎
どっかの誰かさんと違って、ちゃんと真贋がわかるのね◎」
「何だと!
いやっじゃぁ本当に本物なのか!?」
「のようですね…」
「正真正銘、”金の姫の腕輪”よ☆」
「でもなぜ…なんだか薄い…何と言うか、印象が違います」
「すごいわ☆
そこまでわかるのね◎」
「どう言う意味だ」
「本来持っていた力が弱まっているのよね〜★
もちろん、石がなくなったのも要因の一つだけど、在るべき場所から動かされちゃったのもダメなのよ☆」
「場所ですか?
在るべき…城…ではないですね…この場合クライネル…?でしょうか?」
「◎正解〜☆
リュスナは、”聖霊王と金の姫”のお話知ってるわよね?」
「はい…?」
「あの物語りはね、実は真実じゃないわ★
真実は、語られないから真実と言うのよ★」
「…ラダ」
「何だ?」
「この依頼、どなたからのものですか…?
何だか嫌な予感がするんです…。
この腕輪、今ナーリスの元にあるって事にも意味があるんじゃないかと…」
「…」
「うふっ☆
だからリュスナの事、大好きよ◎
ちゃんと意味を理解できる…必要な事を判断できる…本当は、普通に人が生きるには、邪魔な能力よね…。
こちらとしては、いちいち説明しなくても良いから楽なんだけど★
これだけはあえて言っておくわ◎
この件、とっても厄介なのよ☆」
「…っ」

ナーリスでさえ”厄介”と言う程のもの、物凄い嫌な予感がする。
覚悟を決めて頷いた。


< 68 / 150 >

この作品をシェア

pagetop