僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
彼女は見た目、四十台前半。
服装は派手すぎず地味すぎず、駅前にショッピングに出た奥様という印象だった。
膝上のベージュのスカートに薄手のピンク色のニットセータ。
きちんとストッキングを履いた足元には黒いパンプス。
流行の小ぶりなショルダーバックを肩から提げ。
化粧は薄め。
目元には薄くブルーのアイシャドウ。
眉を綺麗に整え、口元には薄い桃色の口紅。
肩より少し短い髪の下からは、綺麗な白い首が覗いていた。
どこにでもいそうな女性だけど、その目がとても印象的だった。
「どうかした?」
自分をじっと見つめる僕の様子を不思議に思ったのか、彼女が怪訝そうな顔で聞いた。
「はい、大曲までのチケット」
彼女は僕に、チケットを差し出した。