僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あの、いいんでしょうか、こんな……」
僕はあまりにあっけなく手に入ったチケットに、いや、あまりにも何気なくチケットを手渡す彼女に驚いていた。
「だって、あなた、大曲に帰りたいんでしょう?」
彼女は怪訝そうに僕を覗き込んだ。
「それはそうですけど、あなた一人にこんな……」
「いいのよ、あたしがそうしたいんだから」と、彼女はにっこりと微笑んだ。
アーモンド型の少し垂れ目がちな大きな目が優しく笑って、目じりに小さな皺が出来た。