僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「じゃ……」と席を立つ彼女の背中を睨みつけた。
焦ってどうにかなるものなのか。
彼女は恐らく、稀に見る親切心で、僕の身の上を心配してくれて言ったんだと思うけど。
三十過ぎて、図面書きより他、何の取り柄もない僕が、今更焦ってどうなるって?
新聞配達だって躊躇したこの僕に、日雇いの肉体労働者になれと?
はたまた時給八百五十円のコンビニの店員で食いつなげと?
お前ら女にはまだ、受付嬢やプレゼンテーターとか、切羽つまればキャバ嬢のアルバイトだって選択肢があるだろう?
いや、お前らは、その前に、住む家があって食うには困らない。
僕に対する声かけは単なる憐みだ。
それも言葉だけの。
そんなこと僕だって、薄々は気付いてる。
そんなに心配なら、もっと具体的に、何をしたらいいのか教えてくれよ!
僕はやり場のない怒りを彼女の背中にぶつけていたんだ。