僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

(こんなもんだな……)

僕は出来上がった書類を一通り眺めると、メモを付けて山本女史の机に伏せて置いた。

当然のことながら、僕の仕事の仕上がりを、彼女が待っている筈もない。

もう、フロアには数人の人影が残るだけ。

金曜の夜、こんな時間まで残っているのは、僕みたいに要領の悪い同類か、残業代稼ぎのセコイ奴か……

(思ったより時間、かかっちまったな)

時計を見るともう九時近かった。

荻窪のアパートに戻ればもう十時になる。

(コンビニで弁当でも買って帰るか……)

僕は外食を諦めて、家路を急ぐ。

(まぁ、残業つけて、外食止めたら、少しはプラスか……)

そんなセコイソロバンを頭のなかではじいて苦笑した。
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