さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
私の相手は大柄な男と、さっき肩をやって弱りきっているどちらかというときゃしゃな男の2人。
まずは一人。
とどめの一発を、と思って先ほども刀を振った相手に向かって再び振り下ろす。
刀に妙な柔らかさを感じて吐き気がするけれ、どここで退くなんて出来ない。
「うわあああ!」
これは致命的に決まった。
相手の断末魔がすっかり人気のなくなった私達の周りに響いた。
ついに人を殺してしまった。
返り血を見て初めてそれを実感する。
無性に心苦しさを感じて、目に涙が溜まっていく。
泣いてなんかいられない。
涙で視界が歪むことさえ、今の状況には大きな欠陥となる。
大柄な男をキッと睨みつけると、男は慌てたように視線を反らした。
「おい、逃げるぞ!このままじゃ俺らの方が分が悪い!」
男が叫んだと同時に、沖田さんの相手の2人が駆け出す。
「これはもらってくぜい。」
「あっ!」
男の手にはさっき沖田さんに買ってもらった、あのかんざしが入っている。