さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


翼は再び私の頭に手をやって、言葉を落とした。




「帰ろう、あず。」





帰る。





現代に。 




どうしてか素直にうん、と言えず戸惑っている自分がいる。






「あず!」





その時、後ろから私の名を呼ぶ声が聞こえた。





「沖田さん・・・。」





沖田さんは私達の前に立つとどこか強張った表情をした。





「キミ、誰?」





沖田さんの目に今私達はどう映っているのだろうか?





「俺は翼です。」





翼の声は揺るがず真っ直ぐにのびた。




「キミが翼ね。じゃあキミも未来から来たんだ?」

  



初めて沖田さんに会ったときに翼の事を言ったのをまだ覚えているなんて思ってもみなかった。




「はい。俺はあずと一緒に150年後の未来から来ました。」





翼の言葉を聞いて、沖田さんは鋭い目に変わった。





「・・・。」
 



 
しばらく沈黙がつづく。





「あず、帰ろう。」



その言葉と同時に、私の手を引いて駆けだしたのは彼だった。
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