さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「あず、原田さん。」
入口の方から誰かの声がした。
簾の下からひょっこり誰かが顔を見せた。
「沖田さん!」
思わず駆け寄る。
「原田さんがあずに会いに台所に行ったって聞いてね。心配だったからちょっと見に来てみたんだけど・・・。」
“心配だったから”
さっきのこともあってかその言葉にドキッとする。
「酷い会話してたね。」
げ。
「聞いてたんですか!?」
は、恥ずかしい!
「盗み聞きなんて随分悪趣味だなぁ。」
原田さんは動じることなくケラケラわらっているし。
「まさか火のおこし方もわからないなんて。」
沖田さんは苦笑いする。
「しょうがねぇよなぁ、あずみちゃん。」
「私に話を振らないで下さいよ。」
沖田さんは私たちのやり取りをじっと見ていた。