さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「手伝ってあげるよ。」
着物をふわりと払って沖田さんが私の隣に来た。
「・・・ッ!」
どうしてか、顔が熱い。
私今どんな顔してる?
「ここに息を吹き込むんだ。」
沖田さんの息遣いがわかる。
ドキドキが止まない。
「総司は家事も出来んのか。」
原田さんが目を見開いて驚いた顔をする。
そりゃあ幹部の人が料理をするなんてめったにないだろうからな。
「原田さんにも料理教えましょうか?」
「い、いや。俺は・・・。」
原田さんが苦い表情を浮かべながら一歩後ずさりする。
「いざという時自分のためになりますよ?」
沖田さんが言い詰める。
「わぁったよ!」
沖田さんの勝ち。
原田さんの方が年上なのに、やっぱりどこか子供っぽいかも。
2人の様子に笑ってしまう。
「あず。明日から料理は俺たちも手伝うから。」
にっこり笑いかけてくれる。
優しいな、沖田さん。
まだ私が信用を手に入れたわけではないだろうけど、それでも私に気を使ってくれる。
「おい、何見とれてんだよ。」
ニヤニヤと原田さんがちょっかいを出してくる。
「原田さんも見習ったらどうですか?」
じろりと原田さんを睨む。
「こんな生意気な女初めてだ・・・。」