漆黒の黒般若
縁側に座り2人でたわいもない話をした



好きなものから始まり
嫌いなもの、将来の夢、好きなこんだてのメニューや新撰組の日常など



何故か過去のことや、うまれ育った場所などには話が行かなかった



しかしこうやって2人ならんで話していると2年前のようで江戸時代にいることが信じられない



「小十郎君は…」


「呼び捨てでいいよ」


「えっ?じゃあ、小十郎はどうして新撰組に入ろうと思ったの?」


「えっとね…、俺は1度新撰組に助けてもらったことがあってさぁ」


「へぇ、いつ?」



「うーん、今年の2月頃かな」


「2月かぁ、最近だね」


「あぁ、俺さぁその頃まだ真剣を振るったことなくて、でも武士として剣挿してたほうがかっこいいだろ?だから一応剣は挿してたんだけどいつのまにか何処だかの浪士に絡まれちゃってね。俺、一応刀抜いたものの震えててさ…。はっ、笑っちゃうだろ?」



「そんなことないよ、僕も初めて真剣を持ったときは怖かった。みんな一緒だよ。小十郎だけじゃない…」


「ありがと楠葉。で、浪士が3人斬りかかってきてダメだと思った時、あさぎ色の羽織が俺の前に現れたんだ。カッコ悪いけど俺、その時失神しちゃったらしくてさぁ。起きたら団子やの畳の上だった。だけどそれから俺は新撰組にあこがれて剣の稽古も一生懸命やったんだ。だからこの腕は新撰組のために活かしたくて」



話終えた小十郎はふと、隣を見ると楠葉は目を輝かせてこっちを見ていた


「う゛っ。なんだよお前…?」



「素敵…、その理由すっごく素敵だよ?!あたし…ぃゃ僕、感動しちゃったよ?」



そう言ってニコッと笑う楠葉を見て少し小十郎は赤くなる



「お、おう。わかってくれたならいいけどよ」



「うんっ」



こうしてこの日は日がくれるまで話をして解散となった


あの人は裕じゃなかったけどとっても楽しかった
小十郎とまた話したいな



沈んでいく赤い太陽を眺めながら楠葉は思った



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