漆黒の黒般若
「今日も彼に会いにいくの」



「そうなんですか、その彼はきっととてもいい人なんでしょうね。あたしにも今度紹介してくださいね」



そう言ったあたしにお信さんは意地悪く笑うと耳元でボソッと何か言うと帰っていった



「えっ!?どういうことですか?お信さんっ」



驚くあたしを尻目にお信さんはスタスタと甘味屋をあとにした


「どういうこと?明里さんの思い人は新撰組にいるってこと?」



“紹介しなくても彼のことはきっと楠葉ちゃんも知っているわ”



この言葉は屯所に帰るまで楠葉の頭を悩ませた


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