漆黒の黒般若
しかし屯所に帰った楠葉はその疑問も確信にかわった
「おかえり」
「おかえりなさい。楠葉さん」
それは納得せざる終えないほどお似合いの2人だった
「お信さんの恋人ってあなただったんですね?山南さん」
「ふふふ。紹介するわ。新撰組の山南さんです」
隣で自分を紹介された山南さんもそれにつられてあたしにあいさつする
「どおも、新撰組総長の山南敬助です。いつも妻がお世話になってます」
「やんっ、敬助さんったら。妻だなんて…、照れるわ」
「どうして照れるんですか?私はあなた以外を妻にするつもりはありませんよ?」
「もう、敬助さん。やめてくださいよ…。そんな事言われたら心の臓がいくつあっても足りませんよ」
「お前らなぁ、屯所の前でいちゃつくんじゃねぇ」
後ろをついてきていた土方さんが2人に喝をいれる
「あら、土方さん。お久しゅうございますなぁ。最近うちの店に顔ださんと、何処ぞの遊女に手ぇ出してはりますの?あんまりお遊びになられてると紅菊に言いつけてしまいますよ?」
「うぅ…」
急に京言葉を使い、色気を出したお信さんに土方さんも返す言葉がないらしく罰が悪そうに屯所へと入っていってしまった
土方さんが居なくなると邪魔者は居なくなったとばかりにまたいちゃつき出した2人にあきれながらもお信さんの幸せそうな顔と山南さんの真顔で吐かれる甘い台詞につい笑いがこぼれる
「あら、やだ。楠葉ちゃんがいるじゃないの。こんなことしちゃって恥ずかしいわ」
「あ、どうぞお構い無く…。あたしは退散させてもらいますね」
「すみません、楠葉さん」
「いいんですよ。では」
そう言って立ち去るあたしの耳には山南さん達の幸せそうな声が聞こえてくる
「いいなぁ…。あたしもいつかは…」
「何がいいんだ?」
「きゃあっ!!」
突然声をかけられて驚きながらも振り返ると斎藤さんが小首を傾げて立っていた
「何がいいんだ?」
もう一度聞かれた楠葉は真っ赤になりながらうつむく
「な、なんでもないです!」
必死になって隠すがいつのまにか目の前にまで近寄ってきていた斎藤さんに上を向かされる
「ほぉ、小姓が主人に隠し事か…?その考え、あまり良いとはいえないなぁ」
下を向かせないようにしっかりと顎には手が添えられている
「おかえり」
「おかえりなさい。楠葉さん」
それは納得せざる終えないほどお似合いの2人だった
「お信さんの恋人ってあなただったんですね?山南さん」
「ふふふ。紹介するわ。新撰組の山南さんです」
隣で自分を紹介された山南さんもそれにつられてあたしにあいさつする
「どおも、新撰組総長の山南敬助です。いつも妻がお世話になってます」
「やんっ、敬助さんったら。妻だなんて…、照れるわ」
「どうして照れるんですか?私はあなた以外を妻にするつもりはありませんよ?」
「もう、敬助さん。やめてくださいよ…。そんな事言われたら心の臓がいくつあっても足りませんよ」
「お前らなぁ、屯所の前でいちゃつくんじゃねぇ」
後ろをついてきていた土方さんが2人に喝をいれる
「あら、土方さん。お久しゅうございますなぁ。最近うちの店に顔ださんと、何処ぞの遊女に手ぇ出してはりますの?あんまりお遊びになられてると紅菊に言いつけてしまいますよ?」
「うぅ…」
急に京言葉を使い、色気を出したお信さんに土方さんも返す言葉がないらしく罰が悪そうに屯所へと入っていってしまった
土方さんが居なくなると邪魔者は居なくなったとばかりにまたいちゃつき出した2人にあきれながらもお信さんの幸せそうな顔と山南さんの真顔で吐かれる甘い台詞につい笑いがこぼれる
「あら、やだ。楠葉ちゃんがいるじゃないの。こんなことしちゃって恥ずかしいわ」
「あ、どうぞお構い無く…。あたしは退散させてもらいますね」
「すみません、楠葉さん」
「いいんですよ。では」
そう言って立ち去るあたしの耳には山南さん達の幸せそうな声が聞こえてくる
「いいなぁ…。あたしもいつかは…」
「何がいいんだ?」
「きゃあっ!!」
突然声をかけられて驚きながらも振り返ると斎藤さんが小首を傾げて立っていた
「何がいいんだ?」
もう一度聞かれた楠葉は真っ赤になりながらうつむく
「な、なんでもないです!」
必死になって隠すがいつのまにか目の前にまで近寄ってきていた斎藤さんに上を向かされる
「ほぉ、小姓が主人に隠し事か…?その考え、あまり良いとはいえないなぁ」
下を向かせないようにしっかりと顎には手が添えられている