HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
修学式場にはたくさんの先輩方とたくさんの先生方、保護者の方がずら―っと並んでいた


椅子に座って校長の話などをきいていても、あたしは落ち着きがなかった


こんな大勢の前にいるのがなんだか恥ずかしくなったからだ


人前でしゃべることも人前に立つこともしたことないあたしは


人見知りで先輩方もすごく怖い


中学でもすごく怖くて、周りは普通に気にしないで悪さしてたけどあたしは絶対出来なかった


メイクさえもしたことがない


高校になったら新しい気持ちでがんばるんだって決めたのに


人見知りだけは治せない...


「以上で平成○○年入学式を終了いたします」


教頭先生であろう人が、閉会のあいさつをした


やっと終わったと思ってあたしはホッとした


「新入生の退場」


とか言って、吹奏楽部の先輩方が演奏し始めてあたしは退場した


「千紗!あたしかっこいい先輩見つけちゃったぁ」


裕美がのんきにあたしに話しかけてきた


まだ緊張が取れないあたしは裕美ちゃんに苦笑いしてしまった


「えっ?もしかして千紗...緊張してるの!?」
「あのっあたしね、あぁいうの苦手なの」


涙目になりながら裕美に話した


すると裕美の顔が変わり、あたしの涙をぬぐってくれた


「も~千紗って本当に可愛い!大丈夫よ、もう終わったからねぇ」


裕美は子供をあやすかのようにあたしの頭をなでた


「うん、ありがとう」


裕美と肩を並べて教室に帰った



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