純情、恋情、にぶんのいち!
なぜわたしたちがこんなにも熱心に応援しているのかというと、そのなかに、ひときわ目立つ存在がいるからである。
「はあ……相変わらずカッコイイなあ、とーご先輩……」
白団の副団長も務めている、2年生の上杉冬吾先輩。
彼は校内ナンバーワンといっても過言でないほどのかっこよさで、わたしたち1年生にとっても、入学してすぐに憧れの的となった。
「あーまた始まった、チィのミーハー」
「ねえ、さーちゃんはカッコイイって思わないの?」
「思わない」
本気で興味のなさそうな瞳。
とーご先輩に湧くたびに不思議そうにされるけど、こっちのほうが圧倒的マジョリティなわけで、絶対にわたしよりもさーちゃんの感覚を不思議がる子のほうが多いはずだ。
「わたしはロマンスグレーの髪が似合うオジサマしか受け付けてないから」
さーちゃんはモデルさんみたいに美人で、男の子からもモテるのに、男性の趣味が本当にオカシイ。
真剣に、同年代の男の子には興味を持てないらしい。
理由を聞いてみたことがあるけど、単なる好みだと、いつものクールなしゃべり方で一蹴されてしまった。