惑溺
 
衣装、ブーケ、ケーキ、キャンドルサービス
弦楽器生演奏、ゴスペル
写真撮影にビデオ……

幸せを演出するためのいくつもの項目と、その横に書かれたゼロの並んだ数字。

その額が幸せになるために、高いのか、安いのか、相応の金額なのか
私にはわからなかった。



「ほら」

ぼうっとした私の目の前に小さなグラスに入ったデザートとスプーンが置かれた。

「デザートビュッフェ、けっこう種類あったよ」

いつの間デザートビュッフェを見てきたんだろう。
私は隣に座る聡史が席を立ったのにさえ気づかなかった。

驚いて顔を上げると、優しく笑う聡史が私にデザートを、自分にはコーヒーを持ってきて席に座った。

「由佳好きだろ?プリン」
< 125 / 507 >

この作品をシェア

pagetop