惑溺
 

汗ばんだ背中に貼り付くソファーの革が気持ち悪い。
動く度に擦れるその感触が、敏感になった私の感覚をさらに刺激して、我を忘れそうになる。

「由佳、先生とは会ってんの?」

そんなこと、聞かないでよ。

快楽に理性を手放しそうになる私に、リョウは反応を楽しむ様にわざと傷つく言葉を投げ掛けてくる。

「ねぇ、こんなに俺と会ってんのに先生浮気されてるってまだ気付かねぇの?」

「や……っ」

やめて、そんな事今言わなくたって……。

そう言いたいのに口を開いてもうまく声にならず、私の言葉はただ甘えたような鳴き声になった。
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