惑溺


「三年前、由佳がリョウくんに振り回されてどれだけ悩んで苦しんでたか、アタシは傍で見てたの」

博美の語気が強まる。
リョウを責めたてるみたいに、攻撃的な口調でそう言う。

「三年たった今も、クリスマスイブが近づく度に本当は落ち込んでんのに明るく笑う由佳見てんの切ないの!」


博美……。

あれから毎年クリスマスイブは彼氏がいないからとか、聡史が残業だからとか理由をつけて、いつも夜まで一緒にいてくれた。

その優しさにいつも救われていた。


隣で明るく笑ってくれるから、私も過去を忘れたフリをしてクリスマスイブを楽しめていた。



どんなに感謝しても、全然たりない……。



その博美が不信感を顕にして、リョウを激しく非難してる。
< 374 / 507 >

この作品をシェア

pagetop