惑溺

さっきの電話の会話の内容とか、聞きたい事はいっぱいで、何を聞けばいいのか一瞬戸惑っていると

「結局由佳は今でも好きなんでしょ?リョウくんの事」

まるで当たり前のことを言う様に、博美は笑った。

「由佳はどうでもいい事で悩みすぎだよ。
本当は三年前だってリョウくんが好きなら、聡史の事もアタシの事も無視して突っ走ればよかったのにさ。
後悔して忘れられなくなるくらいなら、傷ついてもいいから、追いかければよかったんだよ」

そう言われて、思わず俯いた。

本当は何度も後悔を繰り返してた。
あの雪のイブの日に、なりふり構わずリョウを追いかければよかったって。
何度も何度も思ってた。

「アタシなんて親友の元カレと結婚して平気な顔してるんだから。
少しは見習ってよアタシの図々しさを」

俯いた私に博美はそう言って冗談めかして笑う。



「それにね、聡史がずっと後悔してるんだ」

「後悔……?」
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