惑溺




しんしんと降り積もる雪をぼんやりと眺めていた。
次から次へと空から降ってくる白い欠片は、まるで花弁が舞い散るみたいに儚くて綺麗だった。



本当にリョウが来てくれるのか、不安になって左手のシュシュに触れる。

もうすぐ閉店時間のコーヒーショップはガランとして寂しくて、なんとなく席を立った。



どうせ彼を待つなら、雪の中で待ちたかった。



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