キズナ~私たちを繋ぐもの~
司は迎えに来てくれると言っていたけど、ここで二人が顔を合わせるのを見るのはなんだか辛い。
「待ち合わせはどこでしてるんだ? 送って行ってやろうか?」
「ううん。いい。駅まで出てから電話するから。ちゃんと待ち合わせとか決めてなかったの」
「そうか」
溜息をついて、兄は顔をあげる。
目があって、どこかいつもと違う表情が気になった。
「……お兄ちゃん?」
「いや、何でもない。……楽しんでこいよ」
「うん。行ってきます」
あんまり心配そうに見つめるから、私は笑わなきゃいけない気がした。
楽しそうに、嬉しそうに見えるように、精一杯に笑顔を作る。
兄にそれがどう映ったのか分からない。
彼は寂しそうな安心したような、そんな微笑みを浮かべて私をずっと見ていた。
その笑顔は私の胸に刻まれて、中々離れてくれなかった。