キズナ~私たちを繋ぐもの~
開店したての駅前のファッションビルの1階から、携帯電話で司に電話をかけた。
彼はまだ食事をしているのか、時折り食べ物を噛むような音もする。
『ごめん、食べ終わったら迎えに行くつもりだった』
「ううん。私が勝手に早く家を出ただけだから。
用意が出来たら、迎えに来て?」
『わかった。待ってて』
彼が来るまで、ぷらぷらと店内を眺める。
化粧品のコーナーで、新色の口紅を眺めていると販売員のお姉さんに捕まってしまい、その場から離れられなくなる。
困ったななんて思っていると、天の助けのように再び携帯電話がなった。
『ついたよ。どこにいる?』
声の主は司だ。
さっき電話を切ってから、司の家から駅までの所要時間くらいしか経っていない。
朝食は、途中で終わりにしてしまったのだろうか。