キズナ~私たちを繋ぐもの~
お墓をもう一度眺めて、私は背を向けて歩きだす。
今兄はどうしているんだろう。
幸せですか?
あなたに聞いたら、なんて言うんだろう。
『幸せだよ』
そう言われたら、私は少し悲しくなったりするんだろうか。
そう言われたら、ようやく諦める事が出来るんだろうか。
駅から、バスに乗れば兄のいるはずの家につく。
電車に乗れば、自分のアパートへ向かう。
バスターミナルを眺めながら、考えた。
きっと幸せになっているはずだ。
紗彩さんと結婚して、サユちゃんの父親になって。
それを確かめに行く勇気は、まだ……ない。
ためらった挙句に電車に乗った。
電車特有の揺れに身を任せながら、目をつぶる。
アパートまでの道のりは、遠いように感じた。