キズナ~私たちを繋ぐもの~


 それから数日は仕事が忙しかった。

土曜日、仕事を終えたのが午後5時半。
そのままスーパーの中に入って、夕飯の材料を買って、店を出たのが6時だ。


「ふう」


荷物の重たさに、思わず漏れる溜息に苦笑する。

兄がいる訳でもないんだから、そんなに一生懸命作らなくてもいいのに。

身についた癖なんだろう。
中々夕飯の手抜きというものが出来ない。

いつになっても大目に作ってしまって、朝ご飯に同じものを食べてる。

何度か溜息をつきながら、家路を歩く。
そして、アパートの前まで来た時、大きな人影が動くのが見えた。

痴漢?

私は慌てて周りを見回す。
2月下旬の6時は暗く、通りには他に人影が無い。

でもまだこの時間なら、大通りに出れば色んな人が歩いてる。
大声を出せば聞こえるか。

その人影が近づいてきて、私は思わず後ずさる。

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