キズナ~私たちを繋ぐもの~
「会いにきちゃ、駄目だったか?」
「……」
私は小さく首を振った。
会いたかった。
その姿を見て初めて、こんなに会いたかったんだと言う事が分かった。
だけど涙は見せたくなくて、兄の平静さに合わせて平静な顔を作りたくて、必死に唾を呑みこんだ。
「部屋、あげてくれるか?」
「あ、うん。どうぞ」
私はそのまま階段を上った。
兄は静かにその後をついてくる。
どうしてこんなに兄は冷静にしてるんだろう。
どうしてこの場所が分かったんだろう。
紗彩さんとはどうなったんだろう。
聞きたい事が一杯で、何から聞いたらいいか分からない。