キズナ~私たちを繋ぐもの~

「それ、は……」


そんな事を、兄に向けて言ってもいいんだろうか。


「アヤ」


私の言葉に重ねるように兄がそう呼んだ。


「な、に?」

「……キスしてもいいか?」


驚きで、私の息が一瞬止まる。


「兄妹は、……キスなんてしないよ?」


そう問えば、兄は優しい眼差しで私を見つめたまま頷いた。


「うん。だから」


一呼吸置いている間に、兄の喉元がごくりと動く。


「キスがしたい」


まるでスローモーションで見ているように、唇が動く。

これは本当の言葉?
それとも、さっきみたいにまた覆されるの?


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